令和5年第1回市議会定例会・市政運営の所信

ページ番号1010430 掲載日 2023年3月6日

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  1. はじめに
  2. 新型コロナウイルス感染症への対応
  3. 最近の社会経済情勢
  4. 市政に対する基本的な考え方と主な施策
    • (1)市政運営の基本方針
    • (2)令和5年度当初予算案と主な施策
      • 1.医療・健康福祉
      • 2.生活環境
      • 3.産業
      • 4.都市基盤
      • 5.教育・文化
      • 6.地域づくり
      • 7.自治体運営
  5. おわりに

市長所信表明

1.はじめに

はじめに、令和5年第1回神栖市議会定例会の開会にあたり、提出いたしました議案等の説明に先立ち、市政運営に関する所信の一端を申し上げます。

2.新型コロナウイルス感染症への対応

まず、新型コロナウイルス感染症への対応についてであります。

新型コロナウイルス感染症につきましては、2023年5月8日から、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律上の五類感染症に引き下げられる予定となっておりますが、引き続き感染状況等を注視し、国や県等と十分に情報共有を図りながら、迅速に対応してまいります。

また、業況が悪化している事業者のための事業資金融資に係る利子補給や、児童・生徒の保護者の経済的負担を軽減するための給食費保護者負担金無償化を令和5年度も継続して実施するなど、各種支援策を着実に実行してまいります。

3.最近の社会経済情勢

次に、最近の社会経済情勢についてであります。

我が国の経済につきましては、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進みつつある中、緩やかな持ち直しが続いております。その一方で、ロシアによるウクライナ侵略を背景とした国際的な原材料価格の上昇や、円安の影響等によるエネルギー・食料価格の高騰、欧米各国の金融引締めによる世界的な景気後退懸念など、経済を取り巻く環境には厳しさが増しているところです。

このような状況の中、国では、過去最大となる約114兆3,800億円の令和5年度当初予算案をとりまとめております。

また、茨城県では、令和4年度比で約0.8%増となる1兆2,921億9,400万円の令和5年度当初予算案をとりまとめております。

4.市政に対する基本的な考え方と主な施策

(1) 市政運営の基本方針

次に、市政運営の基本方針について申し上げます。

市では、本市が目指すべき将来像や、まちづくりの方向性を定める第2次神栖市総合計画の計画期間終了に伴い、令和5年度から4年間を計画期間とする第3次神栖市総合計画を策定いたします。

第3次総合計画では、人口減少・少子高齢化、産業の構造変化やグローバル化の進展、情報技術DXの急速な進展、資源・エネルギー及び環境問題の深刻化、自然災害の激甚化、国・地方に共通する厳しい財政状況、さらに新型コロナウィルス感染症の世界的な流行などの状況に適切に対処し、これまでのまちづくりの蓄積と、豊富な地域資源を活かしながら、将来を見据えた持続可能なまちの発展を目指してまいります。

また、令和5年度の行政組織といたしましては、2023年4月から開設するはさき保健・交流センターにおいて、保健福祉センターに関する事業と地域活動の支援を実施するため、同施設に課相当の組織を設置してまいります。

(2) 令和5年度当初予算案と主な施策

次に、令和5年度の当初予算案について申し上げます。

まず、令和5年度の財源見通しであります。

歳入の根幹をなす市税につきましては、新型コロナウイルス感染症や国際情勢に伴う物価高騰等の影響が懸念されるものの、社会経済活動の正常化も進みつつあることから、令和4年度当初予算に比べ、3.2%、6億7千万円増の215億2千万円を見込んでおります。

しかしながら、地方交付税につきましては、震災復興特別交付税の減により、令和4年度当初予算に比べ、30.8%、8億2千万円減の18億3千万円の見込みとなりますことから、歳入は依然として厳しい状況が続いているものであります。

市債につきましては、一般会計、水道事業会計、下水道事業会計を合わせて43億円の発行を見込んでおり、財政調整基金繰入金につきましては、39億5千万円を見込んでおります。

一方、歳出につきましては、長期化している感染症への対応を続けながら、従来から取り組んできた地域医療体制の整備や人口減少、少子高齢化、安全・安心なまちづくり等の課題に加え、デジタル変革など社会情勢の変化に対応するための取り組みのほか、恵まれた雇用環境や充実した子育て支援といった長所を伸ばし、全国的な知名度及び地域活力の向上等を推進する施策に優先的に配分するとともに、事業全般にわたり経費の節減・合理化に取り組みながら予算編成をおこないました。

この結果、令和5年度の一般会計は、令和4年度当初予算と比べ、0.9%、4億1千万円増の459億1千万円となったところであります。

また、特別会計は、3会計で、令和4年度当初予算と比べ、7.7%、12億1千万円増の、169億7千万円、公営企業会計は、2会計で、3.2%、2億6千万円増の84億3千万円であります。

次に、令和5年度の主な施策について、第3次総合計画に掲げる7つの施策の大綱に基づいてご説明いたします。

1.医療・健康福祉

第1に、医療・健康福祉についてであります。

医療特別対策事業につきましては、2022年12月、鹿嶋ハートクリニックの4床の特例病床の設置が厚生労働大臣から認められましたことから、今後は、同クリニックと連携して増床や手術室などの施設整備と診療体制の拡充を進め、当市の24時間365日の循環器疾患救急受入体制の確立を目指してまいります。

また、白十字総合病院の回復期・慢性期病棟建替事業の令和6年度の完成後には、施設基準を満たすことなどにより、304床のフル稼働が可能となりますので、これら2つの医療機関の整備を支援し、当市の救急受入体制の一層の強化促進に努めてまいりたいと考えております。

若手医師きらっせプロジェクトの推進におきましては、土浦協同病院をはじめとする基幹病院の協力を得て、白十字総合病院や神栖済生会病院の協力型臨床研修病院の指定を目指して準備を進めております。

また、特色ある研修メニューとしてスタートした産業医研修会の開催や産業医養成プログラム、社会医学系専門医プログラムの提供等の取り組みの成果として、令和5年度には新たに6人の若手医師が市内で就業するなど、市内の医師確保に繋がっております。

今後とも、市民の安全安心に資する地域医療体制の整備・充実に努めてまいります。

健康増進事業につきましては、2022年3月に策定した「第3次健康かみす21(にじゅういち)プラン」に基づき、市民の皆様と行政が一体となった健康づくりに取り組んでおります。

健診において数値が正常範囲から外れた方の割合では、糖尿病について改善が見られるものの、生活習慣病に起因する死亡割合は、未だ国・県よりも高い水準で推移していることから、令和5年度も引き続き、当市独自の制度であります、がん検診の無料化や、若年世代・働き世代の住民健診無料化、さらには市民の皆様の健康づくりを応援する「かみす健康マイレージ」や、筑波大学と協働で検査・研究を実施する「疫学研究事業」などを実施し、健康寿命の延伸を図ってまいります。

生活困窮者自立支援事業につきましては、令和4年度から、就労準備支援と家計改善支援、一時生活支援の取り組みを開始しているところでありますので、引き続き、生活困窮者への支援や、相談に応じられる体制を整えてまいります。

はさき保健・交流センターにつきましては、2023年1月に施設の建設が完了し、令和5年度から運営が開始される予定となっております。

また、同センター内では、市内で2つ目となる「子育て世代包括支援センター」を開設し、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援体制を整備してまいります。

施設の適切な維持管理をおこなうとともに、地域住民の健康づくりを推進し、子育て支援及び地域交流の促進を図ってまいります。

令和5年度から事業開始予定の医療的ケア児支援事業につきましては、家族の負担軽減を図るとともに、住み慣れた地域で安心して生活が営むことができるよう、支援に努めてまいります。

2.生活環境

第2に、生活環境についてであります。

災害対策につきましては、神栖市国土強靱化地域計画及び神栖市津波防災地域づくり推進計画に基づき、舎利浜地区において津波避難施設の整備に向けて取り組んでまいります。

また、地域の防災力強化を図るため、神栖市防災士協議会とともに、自主防災組織の結成促進や活性化を図ってまいります。

新可燃ごみ処理施設整備事業につきましては、鹿島地方事務組合が主体となり、2024年4月の稼働に向け建設工事が進んでおります。令和5年度は、広域波崎RDFセンターを中継施設へ改修するための事業者選定をおこなう予定であり、引き続き事務組合及び鹿嶋市と連携し、事業を進めてまいります。

海岸防災林の保全事業につきましては、地元企業及び市民団体と「海岸防災林の保全に関する協定」を締結し、森林環境譲与税を活用した海岸防災林の再生・保全を市民と一体となって実施してまいります。

地球温暖化対策推進事業につきましては、平成30年度に策定しました「神栖市環境基本計画」に基づき、脱炭素化社会を実現するため、クリーンエネルギーの普及・促進を支援し、電気自動車及び電気自動車用充電設備や蓄電システム等の導入の補助を実施するなど、温室効果ガスの排出抑制に努めてまいります。

3.産業

第3に、産業についてであります。

スポーツツーリズムの推進につきまして、令和5年度は、引き続き、大会や合宿の誘致に積極的に取り組み、スポーツ合宿地としての認知度向上を目指してまいります。

また、AIカメラを用いた動作解析を導入し、魅力ある合宿地としての付加価値向上を目指してまいります。更には、大学生合宿をターゲットとして誘客戦略をおこなうことで、地域の活性化に繋げてまいります。

観光振興事業につきましては、海水浴場への誘客促進を図るため、誰もが気軽に参加していただけるビーチイベントを開催するほか、砂浜を活用したイベントの開催や海の家の出店などをおこなう事業者に対する誘客促進事業への補助金を新たに創設いたします。

また、フィルムコミッション事業につきましては、ロケ地登録数の増加やロケ受入体制の充実を図るとともに、映画のロケ地と観光スポットを紹介するコラボマップの作成やパネル展を開催し、当市の魅力ある風景を広くPRすることにより、交流人口の増加を図ってまいります。

農業振興事業につきましては、後継者不足等の課題を解消し、農業を維持・発展させるため、新規就農者等の農業用機械の取得や、農業用パイプハウスの導入、農地の再生作業に係る費用の一部を支援してまいります。

また、魅力ある産地づくりを推進するため、意欲ある生産者による、新品種の導入や販路開拓、更には6次産業化等への取り組みに対する市独自の支援や出荷量日本一であるピーマンのブランド力強化、日本一のシェアを誇る千両・若松など、神栖市産農産物のPRにも取り組んでまいります。

園芸振興事業につきましては、燃油価格の高騰対策として、価格が一定以上高騰した場合に補填金が受けられる「施設園芸セーフティネット構築事業」の加入促進を図るため積立金の一部を支援してまいります。

また、病害虫の適切な防除を推進し、農薬使用を減らすことで環境への負荷の軽減を図り、消費者の信頼を得る安全で安心な農産物の安定生産のための支援を継続してまいります。

水産業につきましては、「水産業元気アップ支援事業」により、意欲ある漁業者や水産加工業者による、設備導入、地元水産物の安定供給体制の構築、衛生管理事業等の取り組みを支援してまいります。

波崎漁港の整備につきましては、漁港拡張部後背地の造成、分譲が進み、水産加工場の建設が始まっております。県、地元水産業との連携を図り、全国有数の漁業基地、流通拠点漁港の整備を促進してまいります。

内水面漁業では、利根川産ヤマトシジミの資源再生へ向け、種苗(しゅびょう)の生産、成貝(せいがい)の育成等、安定生産の強化のため支援を継続してまいります。

4.都市基盤

第4に、都市基盤についてであります。

排水路維持管理事業につきましては、浸水対策のために雨水排水施設の整備に努めるとともに、既設の排水路の機能を維持するため、雨水排水施設の改修や清掃、除草等を継続して行ってまいります。

空家等対策事業につきましては、危険な状態となっている空き家の解体に関する費用の一部を助成する空家解体支援事業補助金の交付、空き家の利活用に関しては、空き家バンクの充実とリフォーム費用の一部を助成する空家利活用促進事業補助金の交付、空き家の発生抑制対策として、市民と事業者向けのセミナーの開催、また、新たな試みとして、空き家を活用した移住に関するモデル事業の導入検討などに取り組んでまいります。

波崎東明神周辺地区の住環境整備事業につきましては、防災性と利便性の高い住環境を目指し、消防困難区域や接道不良敷地を解消するため整備を進めているところでございます。

これまでに5路線865メートルの道路整備と、公園1か所とポケットパーク2か所を整備したところであり、令和5年度は、公園1か所の整備と、今後の計画路線の用地取得に向けた交渉を進めてまいります。

5.教育・文化

第5に、教育・文化についてであります。

市内の運動施設の多くは、施設・設備の老朽化が大きな課題であることから、スポーツを通じた健康増進の場を継続的に提供できるよう計画的に改修と整備を進めてまいりました。

令和5年度につきましては、コストと便益の最適化を図りながら、海浜運動公園の改修基本計画や運動施設の改修と整備をおこなってまいります。

第一学校給食共同調理場整備事業につきましても、施設・設備の老朽化が著しいことから、将来にわたって安全で安心な学校給食の安定的かつ、継続的な提供をおこなうため、新たな給食施設の整備に向けた基本計画の策定を進めてまいります。

学力向上につきましては、充実した市独自の少人数学級編制を実施するとともに、小学校に学習指導補助員・コンピュータ教育指導員、中学校には学習指導補助教員を配置するほか、市内全校に図書館指導補助員を配置して読書活動の推進にあたるなど、基礎学力の定着を図るため、個に応じたきめ細かな学習指導をおこなってまいります。

児童生徒の外国語教育につきましては、外国語指導助手を市内全校に配置するとともに、ブリティッシュヒルズ英語研修、英語の4技能を測定する民間外部検定試験ジーテックの実施など、児童生徒の国際感覚の育成及び英語力向上、担当教員の指導力向上を図ってまいります。

さらに、児童生徒が将来、社会人・職業人として自立していけるよう、教育の柱にキャリア教育を据え、推進に取り組んでまいります。その一環として、令和4年度、県内初開催となった、市内外の企業・事業所等と教育分野が連携して、意見交換や交流活動を展開した「キャリフェス神栖」を、より充実したものとし、学ぶ意義や働くことの大切さに気づく機会をつくってまいります。

6.地域づくり

第6に、地域づくりについてであります。

地区活動支援事業につきましては、地区における経費の軽減や区民の交流・活動をサポートするため、様々な補助金制度を設けて地区活動を支援し、地域自治を推進するとともに、地区とのパートナーシップを強め、多様化する地区の課題解決を協働で進めてまいりました。

令和5年度は、若者世代の地区活動参加を促進するため、モデル地区を選定し、区役員や区民の意見を取り入れ、地区に加入し、また加入し続けたくなる魅力的な地区活動への取り組みについて支援してまいります。

また、課題となっている地区未設定区域である、土合本町における地区の設立協議につきましても、検討を進めてまいります。

地域ポイントカード事業につきましては、市民の皆様に気軽にポイントをためていただけるよう、各種講習会やイベント等のほか、図書館ボランティアや地区活動等の参加者へ付与をおこなってまいりました。

今後も、ポイント付与の機会を提供していくとともに、令和5年度は、新たに参入する事業者等に対して機器の導入及び経費の補助をおこなうことで、ポイントを使える加盟店の増加をめざし、地域の活性化を図ってまいります。

まちのにぎわいづくり事業につきましては、にぎわいを創出し地域の活性化を図るため、息栖神社周辺における市道整備と観光拠点施設整備のための設計、神之池緑地における幼児用遊具設置、樹木の配置や維持管理のための計画策定及び園路改修の設計、波崎東部地域における波崎東部地域活性化基本計画の策定等をおこなってまいります。

民間住宅助成事業につきましては、令和2年度より実施している「かみす子育て住まいる給付金」の制度を一部拡充し、今後も子育て世帯等の住宅取得を支援することにより、人口の増加や地域の活性化に努めてまいります。

7.自治体運営

第7に、自治体運営についてであります。

広報戦略事業につきましては、魅力ある神栖市の更なる認知度向上を目指し、市が独自に展開している子育て施策や移住、定住に関連する専用のページをウェブサイトに作成することにより、子育てしやすいまち、住みやすく魅力のあるまちを積極的にPRし、更にはSNS等を利用し、当市の施策や地域資源等の魅力を市内外に広く発信し、観光における交流人口や、地域と多様に関わる人々である関係人口の増加につなげられるよう取り組んでまいります。

電子自治体推進事業につきましては、申請や各種手続きのオンライン化の拡大のほか、窓口へのキャッシュレス決済の導入など、デジタル化によって市民の利便性向上を図るとともに、高齢者等に向けたスマートフォン講座を実施し、デジタル機器を活用することへの不安解消に努めてまいります。また、パソコン上の処理を自動化するシステムや、庁内の決裁の電子化など、最新のデジタル技術を活用して、行政事務の改善に取り組んでまいります。

マイナンバーカードの普及につきましては、窓口での申請手続きのサポートや出張による申請受付、交付につきましては、夜間及び休日の窓口を開設するなど、より多くの皆様に取得していただけるよう取り組んでいるところでございます。

令和5年度においても、引き続き、申請や受け取りがしやすい体制を整え、カードの普及促進に努めてまいります。

5.おわりに

以上で説明は終わりますが、今後とも、魅力ある誇れる神栖市を目指すとともに、市民の安全・安心の確保と神栖市のさらなる発展に向け、全力で市政運営に取り組んでまいりますので、議員各位並びに市民の皆様のご理解ご協力をお願い申し上げます。

このページに関するお問い合わせ

市長公室 秘書課
〒314-0192 茨城県神栖市溝口4991-5 本庁舎3階
電話:0299-90-1121 FAX:0299-90-1112
メール:hisho@city.kamisu.ibaraki.jp

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